人に迷惑をかけてはいけません。
と、教えられてこの国の子供は育てられるけれど、
人に迷惑をかける。
って、いったいどういうことなのだろうか。
人は、生きている限り
必ず誰かに迷惑をかけてしまうし
人間社会ってのは
迷惑のかけあいで成り立っているんじゃないのかなあ。
迷惑をまったくかけない人を
人は愛せるものなのだろうか。
誰にも迷惑をかけずに
なにかを成し得ることはできるのだろうか。
迷惑をかけるからこそ
人は、人に感謝ができるのではないだろうか。
この社会にはいろんなお店や会社があって
毎日人と人同士で
いろんなやりとりが行われているけれど、
そうやって何をしているかといえば
迷惑をかけあっているのではないだろうか。
できないことをやってもらったり
欲しいものを変わりに手に入れてもらったり。
そうして、それに見合ったお金を渡すわけだけれども
その行動も、自分のお金を他人にわたすことも
考えてみれば迷惑なことであるような。
助け合う。
ともいうのだろうけれども。
そうやって、人と人が迷惑をかけあうこと自体が
人間社会を作っているんじゃないのかなあ。
一方的に迷惑をかけてはいけません。
ということ、なのかもしれないけれど、
ただ迷惑をかけ続ける人間なんて存在するんだろうか。
誰かに迷惑をかける人も、他の誰かを支えていたりする。
一方的に迷惑かけられたら
そりゃあその人は怒ったらいいんだけど、
でも、自分だって、誰かに
一方的に迷惑かけたりしてることもあるわけで。
時には、自分の大切な人を守るために
反対側にいる誰かに、迷惑をかけちゃうこともあるだろう。
なんでも言われたとおりに
はいはいと言っておけば、
誰にも迷惑かからないのかもしれないけれど、
それじゃあ、機械となんら変わらないのでは。
人の心があるからこそ、めんどうくさくっても
愛される人間、なんじゃないのかなあ。
大切なのって、人に迷惑をかけずに生きることよりも
人のためになにかをしてあげること
なんじゃあないのかな。
その上で、何をするのもしっかりと
自分で責任を持つことだと思っている。
よかれと思ってやったことで、誰かを傷つけた時なんかも
すべての行動にはちゃんと責任もたないと。
私はだれにも迷惑をかけずに生きてます。なーんて
なんだかとても無責任な生き方なんだなあ。
って、思っちゃうよ。